SATORU SATO 展
― 静かさ/四角い波紋 ―
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会期:2026年10月3日(土) -12月13日(日)
開館時間 :11時~18時30分(入館18時まで)
開館日 :木・金・土・日
休館日 :月・火・水
(展示替および館内メンテナンスのため、会期期間外は休館)
入場料:一般 500円/大高生 400円/小中学生 300円
主催:東京アートミュージアム
後援:Satoru Sato Art Museum
助成:朝日新聞文化財団、一般財団法人プラザ財団
*同期間、プラザギャラリーで関連展示を開催
「SATORU SATO 展 ― 静かさ/四角い波紋 ―」早見 堯
SATORU SATOは、住まいやアトリエのあるパリと、サトル・サトウ・アート・ミュージアムのある宮城県登米市という二つの焦点を拠点にして、振幅のある多数の楕円を描くように、世界各地で、絵画と立体、 野外彫刻や環境造形などを幅広く展開している。
1972年、パリでサロン・レアリテ・ヌーベルに出品したのがアーティストとしてのデビューだ。レア リテ・ヌーベルは、第二次世界大戦前のモンドリアンやカジミール・マレヴィッチなど、物質的世界を超 えた精神性を追求した幾何学構成絵画を継承して発展させている団体展である。
わたしは1970年代の後半にパリのギャラリーの個展会場で見たのがSATORU SATO の作品に接した最初だった。垂直の数色の色帯と白と黒の広い色面による幾何学構成絵画。1979年、パリで彼の直線に対するテキストを書き、鉛直主義を宣言している。
SATORU はこうした「鉛直主義」を契機にして自分の造形の核心に確信をもったに違いない。鉛直性に加えてそれに対抗する水平性、そして、さらに、それらが組み合わされた正方形などの基本形と、狭い色帯や白と黒などの広い色面による作品を展開することになった。
SATORU の絵画や立体、彫刻や環境造形などは、緊張と緩和、静謐と響きなどが鉛直性と水平性に呼応しながら画面のフレームに向かって波紋を広げていって矩形の画面型をつくりだしているかのように感じられる。
ハード・エッジな色帯や色面なのに、かたい幾何学的な骨組みを感じさせることはない。むしろ逆だ。日本の伝統文化である茶道の基本に「和敬清寂」があるのはよく知られている。人と人との暗黙の気持ちの通いあいである「和敬」と分け隔てのない交流をつくりだす「清寂」。幾何学的な合理性による精神性の追求に、こうした「和敬清寂」による心の融和と浄化の作用を融合させているのだ。
作品を前にすると、心がとぎ澄まされると同時に、癒される。作品の場に立つと、脈動している空気と光に包まれ、自然と共生している自分を確認することができる。宇宙のリズムに同調している感じだろうか。日本でもSATORU SATOの作品とその味わいは理解されるようになってきてはいるが、広く深く経験されていないかもしれない。
東京アートミュージアムの個展では、安藤忠雄設計建築のハードエッジで合理的でありながら空間の息づく呼吸感と、作品がもたらす精神的な表現や心の融和・浄化作用とが照応して、そこに立つわたしたちのなかに波紋となって広がり浸透するだろう。
佐藤 達(サトウ・サトル)
| 1945 | 宮城県登米市中田町石森に生まれる |
| 1969 | 東洋美術学校絵画科卒、その年、パリ国立美術学校に留学、G・サンジェ教室で1974年迄学ぶ |
| 1970 | エジプト旅行、砂上に建つピラミッドに出会い、構成、構造、幾何学の原点に触れ衝撃を受ける |
| 1972 | 招待サロン展、レアリテイー・ヌーヴェルに参加、その後、2008から2015迄、幾何学構成絵画部門の審査委員を勤める |
| 1973 | 美術評論家 ミシェル・スフォール、岡本謙次郎と出会い、大きな影響を受ける。この頃よりパリの幾何学構成主義的作家達と交流を持ち、サロンやグループ展等に参加し始める |
| 1974(1977、1980) | 新橋・第七画廊にて企画個展 |
| 1976 | パガニー野外彫刻美術館より依頼され、モザイクを制作(イタリア) |
| 1979 | パリにて鉛直主義を唱える |
| 1986(-2004) | パリの現代サロン、グランエジュンヌドウジュドウイの運営審査委員(視覚アート・幾何学構成アート部門) |
| 1989 | 在仏20年記念展が新潟・創庫美術館・点、有楽町・阪急、銀座・モリス・ギャラリー、仙台・藤崎、パリ・ギャラリー・コンベルジャンス等で開催され、佐藤 達・作品集が新潟の博進堂より出版される(解説・たに あらた) |
| 1990 | 御影石による初めての野外造型作品を制作、宮城県登米市・南方中学校 |
| 1991 | 1 % 制作、ブルグアンブレス市中学校校庭に環境造型作品を制作、フランス |
| 1991(-2007) | 国立パリ大学第八、造型芸樹学科講師を勤める |
| 1992 | みなみかたアート・フェステバルの企画、七人の現代作家、南方町花菖蒲の郷公園、登米市 |
| 1994 | 登米祝祭劇場庭、御影石による環境造型作品を制作 |
| 1995 | 夏川芸術橋、全体と周りの自然を取り込んだ環境造型アート作品制作(17000 X 900 X 1000 cm) |
| 1996 | 仏・クレルモン・フェラン、御影石による環境造型作品制作(700X 1400 X 45000 cm) |
| 1998 | エクワドル・キトメトロポリタン公園にコンクリートで環境造型アート作品制作( 700 X 1500 X 45000 cm )エクワドル政府より第一等文化勲章を受ける |
| 2000 | 韓国・山清市の国際彫刻シンポジュームで大賞受賞 |
| 朝鮮戦争終結50周年記念国際彫刻シンポジュームにて、釜山広域市南区の名誉区民賞を受賞 | |
| 登米市中田町、諏訪公園、2.5ヘクタールの空間造型アート作品を完成 | |
| 2001 | レバノン・オレイ市の野外造型作品を制作 |
| 2003 | 韓国民俗村にて、野外造型アート作品を制作 |
| 2004 | 台湾、桃園郡にて空間造型アート作品を制作 ( 550 X460 X 2000 cm ) |
| プエルトリコ大学本部公園にて環境造型アート作品を制作(680 X 1000 X 2200cm) | |
| 2005 | ヴェネズエラ、トウリヨー市、環境造型アート作品制作 |
| 石森章太郎ふるさと記念館隣、石森山安永寺(中田町石森)に<無常の響き>制作 | |
| 2006 | アンドラ公国、2004年制作(900 X 600 X 5050 cm)の作品がアンドラ郵政局より切手として30万部発行される |
| 2007 | 登米市立Satoru Sato Art Museum 開館される(登米市中田生涯学習センター3階) |
| 2011 | 仏、ピレネー国立公園に環境造型立体作品を制作(800 X1400 X 3500 cm) |
| 2021 | 石森山安永寺に襖絵(175 X4 25 cm)2面を制作 |
| 2024 | 石森山安永寺に御影石による<黒い正立方体>を制作 |
| 2025 | 80歳記念展の回顧展開催、Satoru Sato Art Museum |
これ迄、野外立体造型作品(環境造型作品)は、日本、韓国、台湾、ヨーロッパ、南米、中近東、北アフリカ等で43点制作、設置。 個展は昨年の銀座、ギャラリーせいほう、今年のパリ、ギャラリーAkié Arichiなど100回を超え、展覧会は43ヶ国で発表。



