池田龍雄展
-場の位相-

弊館では

「 池田龍雄展 -場の位相- 」

を開催いたします。

会期:2019年4月6日(土)- 6月30日(日)
開館時間 :11時~18時30分(入館18時まで)
開館日 :木・金・土・日
休館日 :月・火・水
(展示替および館内メンテナンスのため、上記期間外は休館)
入場料 :一般 500円/大高生 400円/小中学生 300円

主催 :東京アートミージアム
企画 :一般財団法人プラザ財団

概要

池田龍雄は特攻隊の生き残りとして戦後一貫してそのあまりにも理不尽な経験を背景に黙々と制作活動を今日まで続けている。声高に反戦は訴えないものの作家活動がすべて彼の制作活動を突き動かしているように思える。

本展では、作品展示とともに作家出演映画「アトリエでの作品制作過程をドキュメントした『The Painter』」と「ヨーロッパに禅を広めた禅僧弟子丸泰仙と道元の主著「正法眼蔵」を伝える『華開世界起』」の2作品の上映をいたします。

上映映画 「THE PAINTER」 2014年(43分)午後 1:00 〜

映画 THE PAINTER

監督・制作:孝壽 聰
撮影・制作:ピエール・ブシュー
出演:池田龍雄
日本の戦後美術を代表する画家の一人、池田龍雄のアトリエでの作品制作過程をドキュメントした作品

上映映画 「華開世界起」2011年(93分)午後 3:00 ~

映画 華開世界起

監督・制作:孝壽 聰
撮影・制作:ピエール・ブシュー
出演: 哲学者 森本和夫 / 画家 池田龍雄 / 仏国禅道尼苑 禅僧 ユーグ・ナース /正法眼蔵仏語翻訳者 折茂洋子 / 仏国観照寺 禅僧 ジャン=ピエール・フォール
道元禅師の「正法眼蔵」と禅をヨーロッパに伝えた禅僧弟子丸泰仙をモチーフに、日本とフランスで撮影された『華開世界起(はなひらいてせかいおこる)』

略歴 池田龍雄(Tatsuo IKEDA)

1928年佐賀県生まれ
1945年海軍航空隊の特攻隊出撃寸前で終戦を迎える
1948年多摩美入学、秋頃より岡本太郎、花田清輝、安部公房らの戦後アヴァンギャルド芸術運動に参加
1954年最初の個展以来現在まで国内外での個展は50回
1955年神奈川県立近代美術館(鎌倉)「今日の新人展」
 以後、国立近代美術館、東京都都美術館、各地の美術館の企画・主催する展覧会に多数出品
1972年無窮運動『梵天の塔』を始動現在も続けている
1984年横浜市民ギャラリーで『池田龍雄展』
1985年伊東市、池田20世紀美術館で「池田龍雄の世界展」
2010年山梨県立美術館、川崎岡本太郎美術館、福岡県立美術館にて巡回回顧展
2012~13年「ベストセレクション日本近代美術の100年」東京国立近代美術館
「TOKYO1955~1970展」ニューヨーク近代美術館(MOMA)
2014年「池田龍雄展–既知と未知と–」東京アートミュージアム
2018年「戦後美術の現在形池田龍雄展—楕円幻想」練馬区立美術館

海外展

オックスフォード(イギリス)、ポンピドー(パリ)、ロス・シカゴ(アメリカ)、サンパウロ(ブラジル)、ポーランド、韓国、インドなど早くから文学・映画・演劇等、他のジャンルとの交流を深め舞台装置など多くを手がける

主な作品

シリーズとして『化物の系譜』『禽獣記』『百仮面』『楕円空間』『解体類考』『BRAHMAN』『万有引力』『場の位相』等

著書

『絵画の距離』『夢・現・記』『蜻蛉の夢』『芸術アヴァンギャルドの背中』『池田龍雄画集』『視覚の外縁』

パブリックコレクション

東京都美術館 富山県立近代美術館 佐賀県立美術館 山梨県立美術館 横浜市民ギャラリー 国立国際美術館 世田谷美術館  徳島県立近代美術館 広島市現代美術館 高松市美術館 新潟市美術館 東京国立近代美術館 三重県立美術館 板橋区立美術館  練馬区立美術館 栃木県立美術館 郡山市立美術館 愛知県美術館 和歌山県立近代美術館 宮城県美術館 パーフェクトリバティ教団千葉市美術館 福岡市美術館 宇都宮美術館 名古屋市美術館 町田市国際版画美術館 福岡県立美術館 その他

略歴 孝壽 聰(Satoshi KOUJYU)

1944年1944年生まれ 早稲田大学卒。日本映像民俗学の会会員。映像制作者
1970年代『長谷の大仏』『相模人形芝居』『神奈川の盆行事』『相模川』等、神奈川の自然・民俗の映像記録を行う。
1992年ビャルヌ国際映画人類学映画祭技術記録特別賞を受賞。
1993年博物館映像学研究所を設立。その後、国立歴史民俗博物館、江戸東京博物館、各県立・私立博物館製作の学術映像記録作品を制作・監督。『王子田楽、全国各地の田楽の記録』『大和東 山中六所神社の祭礼』 『船大工の技法記録』『住吉神社の祭礼』等、全国各地の祭礼、民俗、芸能、伝統技法の映像を記録する。
2000年代これまで思い温めて来たテーマ:戦争とは何か、人間とは何か、文明とは何かという大きなテーマを、一切の干渉なしで製作、すべて自主制作する企画を始動する。
2005年『水筒と飯盒 ビルマ戦線 戦場の記憶』ビルマのインパール作戦から生還した老兵をインタビューした作品完成。戦場での飢えをテーマにした作品で全編に、戦死者への供養と鎮魂の思いが流れている。「60年目の夏・・・迎え火送り火が焚かれ、凄惨な戦場の記憶が甦る」
2011年共同制作者ピエール・ブシューとともにフランスに禅を広めた弟子丸泰仙老師が開いた観照寺と禅道尼苑で主に撮影・制作した『華開世界起(はなひらいてせかいおこる)』完成。五人の話者:森本和夫(哲学者)、池田龍雄(画家)、ユーグ・ナース(仏国禅道尼苑禅僧)、折茂洋子(正法眼蔵仏語翻訳者)、ジャン=ピエール・フォール(仏国観照寺禅僧)『正法眼蔵』の語が交差されながら映像が構成されている。
2014年前作と同じくピエール・ブシューとの共同作品『The Painter』完成。本作は友人であり、世界的な前衛画家である池田龍雄の作品制作をドキュメントした作品。特攻隊員であったが敗戦により出撃せずに命を留め、戦後は絶対平和主義者の画家として活躍している池田のアトリエで撮影された。冒頭「なぜ人は絵を描くのか なぜ人は戦争をするのか なぜ人は火を使うのか」の命題が提示される。
2015年宣伝展開:公開に向けての打合わせ直前に自宅前で転倒、入院。以後、闘病生活が続く。
2016年日本映像民俗学の会主催「孝壽聰監督 三部作上映会」(東京・四谷区民センター多目的ホール)上映後、池田龍雄が「映画と私と人生」を語る。
2017年第5回横浜開港アンデパンダン展(3.28~4.3 横浜市民ギャラリー)の特別企画:池田龍雄 50年代の作品および最新作の特別展示会場で『The Painter』が会期中毎日、特別上映され、懇話会で池田龍雄と星埜恵子が孝壽聰の人と作品を語る。
かわさき市民アカデミー「フェスタ'17」(川崎市生涯学習プラザ)で、人間学有志の主催による 「道元の世界?映画と講演会」の第2部で『華開世界起』が上映される。
2018年練馬区立美術館「戦後美術の現在形 池田龍雄展?楕円幻想」開催、関連映画上映会で『The Painter』上映。(併映は『薔薇の葬列』松本俊夫監督、1969)これまで製作された三部作『水筒と飯盒』『華開世界起』『The Painter』上映企画、およびDVD販売に積極的に取り組むために小冊子やリーフレット等を作成する。