今年の夏も暑くなりそうです。
近年の夏の暑さは過去のそれとは大きく変わったように思います。そのことは地球環境をめぐるさまざまな問題を私たちに考えさせます。実体験が私たちに考えることを強く訴えてくるのです。
それだけでなく、この変化は私たちのアートについての思考や感性も変化させているようです。アートもまたそれを見る実体験が考えることをうながすものですし、それ以前に、アートは日常の生活と無縁のものでは決してないからです。
東京アートミュージアムでは、今年度、6月30日から10月3日までを夏季休業とします。ここで、一度立ち止まって、地球の未来のこと、現在の私たちのライフスタイルのこと、そして、アートについて考えてみたいと思います。
この夏、みなさまも同じようにこうした問題について考えていただければ幸いです。
東京アートミュージアム
一般財団法人プラザ財団
休館期間:2025年6月30日(月)-2025年10月3日(金)
会期:2025年10月4日(土) -12月14日(日)
開館時間 :11時~18時30分(入館18時まで)
開館日:木・金・土・日 休館日 :月・火・水
主催:東京アートミュージアム
企画:一般財団法人プラザ財団
東京アート・ミュージアムは、高山夏希による個展「まだかたちのない景相体」を開催いたします。高山は、これまで、アクリル絵具を流れる粒子のように物質的な状態として扱い、積層して彫刻刀やカッターの刃などを用いて削り出すなど、平面を主な媒体とした作品を発表してきました。その触覚的/彫刻的ともいえる手法を用い、時代の中で薄れつつある事物への実感の再考から、人・動物・モノ・環境などが一体性を持った世界観を提示してきました。今展では、平面作品や彫刻作品を含むインスタレーションによって、里山のような機能や目的にしばられない<居場所>としてひろがる展示空間をつくります。
安藤忠雄による建築空間のなかで、視覚的な鑑賞経験のみならず、そこに居つづけることを全身で感じ取ることができる展覧会を目指します。周囲の多様なものごとと再接続することの意義を問いかける高山夏希の作品をこの機会にご高覧いただけたら幸いです。
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